伝統工芸実演
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6月10日(水)~ 6月16日(火) 

『錺簪(かざりかんざし)』三浦孝之

簪や櫛の歴史は長く、古くは縄文時代から見られ、はじめは身を守ってくれるお守りの役目がありました。自然の草花には強い生命力が宿るとされ、それを身に着けていると魔を払ってもらうと考えられていたようです。そのような草花をいろんな材料を使って形にし、髪にさすようになったのが簪のはじまりです。

遠い昔、簪はただ単に髪を飾る道具ではなかったのです。そして簪が装飾品として華やかさを持ち始めたのは、いろんな形に髪を結うようになった江戸時代以降のことです。いわゆる日本髪ですね、テレビの時代劇に出て来る女性の髪型です。昔の女性はみんなあのような髪型をしていました。あの髪型にも何種類もの形があり、その時代によって流行りがあったようです。それは今の時代も同じですね。

そして私が作っている錺簪(かざりかんざし)は金、銀、銅、真鍮(しんちゅう)などの金属で作られているものをさします。細工のモチーフにされるものは、動植物や歳時記をとおした粋なもの、縁起を担ぐ意匠など、小さな飾りの中に物語性があるのが特徴です。