京都で発送した木目込み人形が江戸に伝わったもので、正徳年間(1711~15)にはすでに江戸へ下った京都の人形師が多かったという。江戸が文化の中心地として発展してくるにつれて、木目込み人形も江戸風に変化した。
江戸における木目込み人形には1、岡本玉水人形系統と2、名川春山人形系統の2系統があり1、の初代小林鉄之助は幕末に京都より職人を招いて創業し自身も木目込み人形師として作品を残している。また2、の初代名川岩次郎は、天保3年(1841)28歳のとき浅草須賀町の人形師瀬山金蔵より独立して、本所両国に創業した。以後両系統の弟子達により技術、技法が継承されている。なお、岩槻市の木目込み人形は名川人形系統の流れをくむものである。
江戸木目込み人形は、木彫りの人形の衣裳の部分に溝を彫って、布製を糊で埋めていく技法による人形で頭は桐塑か素焼き、胴体や手足の一部に桐塑が用いられている。顔は京都製の「ぽっちゃりとしてふくよかな顔立ち」と異なり「やや痩せ形で、小味の利いた、こまかい目鼻立ち」が特徴である。
過去の伝統工芸実演
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3月28日(水)~ 4月3日(火)
『江戸木目込人形』塚田詠春
塚田工房塚田工房
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