江戸表具
前川 治
表具は仏教伝来と共に経典の表装技術として伝わったと考えられています。以後、床の間の発生や茶道の興隆により需要が増え、江戸時代には上流社会の必需品となっていきました。
その技術は、軸装を主とし、天井・壁・画帖・屏風・襖などの装丁や修復など幅広い技能を要求されます。そしてすべてが依頼主の注文に応じて一点ずつ製作され、伝統的な色目使いを重んじた格調高い取り合わせを基調としています。
表具をする職人さんを表具師といいますが、経師といわれる場合もあります。今日では、表具師と経師は同じ仕事をさしますが、かっては別々の職業でした。経師というのは「三蔵の中の経蔵に通暁した人・経巻の書写を業とした人・経巻の表具をする人・書画の幅または屏風・襖などを表具する職人」という意味があり、仏教のお経を扱う人々の事をいっていました。
表具は平成元年に東京都から「江戸表具」として「伝統工芸品」に指定されました。
「仕事のこだわり」
まず第1にお客さんの身になって、どう仕上げたら喜んでいただけるかを考える。そして掛け軸や額等の場合は、本紙(中身)が、主役なので、その雰囲気をいかに出すか、又どうすれば見栄えがよいか、それに多少は、ヒンよく(上品に)仕立て上がるかいつもいつも執着しています。
前川 治
墨田区千歳3-5-11(店舗)